いつも朝食を頂戴しているソイ5にあるホテルに友人が泊まっているので会いに出かけた。
朝食が終わり丁度ゴルフに出発する時間である。
午前8時頃だった思う。
まだ雨は降り続いている。
お客は恨めしそうに曇天を睨んでいる。
そこにそのツアーを請け負っている旅行社の係員が到着する。
さて出発の時間が来る、するとお客は係員に雨が降っているのでツアーを中止にしたい旨を告げる。
これに対して係員はもし今ツアーをキャンセルしたら100%の取消料がかかると答える。
お客はその100%という数字に余程憤慨したのか、係員にまだ出発していないのでそんなことにはならないだろうと詰め寄った。
以後はお客と係員と旅行社との押し問答に終始して結局ツアーはキャンセルされお客は100%のキャンセル料を請求されることになる。
実際に支払いに応じたのか、或いは既に支払ってあるので返金して貰えなかったのかは分からない。
しかし結論から言えばこの客はもう二度とはこの旅行社を使わないだとうと思われる。誠に残念なことである。
さて隣でこのいきさつを見ていた私は自分に置き換えてどのような処置をしただろうか、自分ならどう対処しただろうかと考えさせられることが多かった。
実に難しい問題である、どちらにも同情を禁じえない。
さてお客から見ればまだ出発もしていないのに全てをキャンセルしても100%の手数料は納得できないであろう。
事実、旅行社としてはゴルフ場にはまだお金は払っていないけれどツアーを実行しようと車は来てしまっているし係員も動かしている。
だからキャンセル自由というわけにはいかない。
旅行社からの立場からすれば、ゴルフとは雨天であろうが晴天であろうがイギリスを発祥地というスポーツは降雨で競技を中止することは主催者が決めるものであってプレーヤーが決めるものではない。
そもそもパタヤの天候は晴れのち曇り、一時雨なのだからゴルフ場に到着してから少し待てばプレーできることは大いにあるのでる。
出発時に雨が降っていたといってもそれがキャンセルの理由としてはちょっと弱すぎる。
それにキャンセルされれば車も1日遊んでしまうし、人件費だって払わなければならない。
痛し痒しである。
こういうことについて日本では旅行業法というのが存在して予めツアーの開始前に旅行社とお客との間で旅行業約款という契約を締結して書面をもってお客に提示しなければならない。
だからこういう問題は約款をお客が読まなかったとか理解していなかったということになりお客の落ち度になる。
大概の場合は当日キャンセルは100%の手数料を取られるのが常識である。
けれどもそれは日本のことであって、タイでは旅行業法というものが存在しなく、また約款の締結もない。
だから100%手数料を取るというのは旅行業者の自己満足に近い。
タイのゴルフ場においては雨季の間、プレー中にあるいはプレー前に降雨でプレーが続行不可能となった場合にグリーンフィーを払い戻すかしないかという基準がある。
それを「レインチェック」という。
日本でもゴルフ場に到着していてチェックインしていてもプレーを開始しなければグリーンフィーを請求されることはない。
タイではゴルフ場にもよるが、スタートしてしまえばグリーンフィーを返却しないというゴルフ場が主流であるが、時たまスタートして1、2ホール目までに降雨中止となった場合は終了ホール数に応じてグリーンフィーを返却してくれるコースもある。
この旅行社にとって言えば、早く日本と同じように旅行約款を作ることである。
それに最も基本的な問題である、日系の旅行社であるということでお客は申し込んでいるわけだから、クレイムがあった時に雲隠れして電話にも出ないし、現場にも来ないのはどんなものであろうか。
全て対応を日本語の分からない(多少の日本語は分かるがこのようにこみいった、あるいは技術的な日本語は皆目無理)タイ人スタッフに任せておくというのは頂けない。 |